8月23日の日曜日に、東京でおこなわれた獣医腎泌尿器学会に参加してきました。
今回の腎泌尿器学会のテーマは「EBM」でした。
EBMとはevidence-based medicineの略で根拠に基づいた医療と言われていて、様々な文献などでいいと証明されている情報をもとに治療をおこないましょうというものです。
医学も、もちろん獣医学もこのEBMに基づいて治療されるべきものだと思いますが、獣医学の場合エビデンスレベルの高い文献は少なく、そのあたりが人と違って難しいと思います。慢性腎臓病や急性腎障害の治療をエビデンスに基づいてガイドラインを作っていこうという話になりますが、まだこのあたりは時間がかかりそうな感じで、腎臓に興味がある先生とない先生の間には大きな溝がある状態はまだ続きそうです。
症例の報告ではステントなどの外科的なものと、腎臓病を早期に発見するためのマーカーの発表が多かったと思います。とくに腎臓病のマーカーに関しては、現在はシスタチンCが使われていますが、人と違って犬の場合体重によってシスタチンCにバラツキがでるため、現在は15kg以下の犬だけが推奨されています。かといって毎回クリアランス検査をするのは煩雑ですから、簡単に、そして特異的に腎臓病を早期に発見できるマーカーが切望されています。腎臓病はどれだけ早期に発見できるかが、なによりも重要なので、この辺りのマーカーについては、今後注目していきたいと思います。


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