来月に予定しているALOHA EXPOの準備でバタバタしています(^_^;。腎臓病センターのHPにはALOHA EXPOについての詳細は書いていませんが、ぜひ多くの皆さんに来て頂きたいので、こちらのページも見てみて下さい。
さて、今日は内視鏡の検査について新しい検査ができるようになりましたので、ご紹介します。
内視鏡と聞くとみなさんが一番思い出されるのは胃カメラや大腸内視鏡検査だと思います。これらは人でも検査頻度の高い検査ですし、健康診断などでもおこなわれていますから、多くの方が自分で体験されたことがあると思います。
内視鏡とはその字のように、内側を視る鏡です。つまり外からは見えない色んな場所を、見る事で異常を発見したり、その部分から細胞を取ってきて検査をしたり、処置をしたりする道具です。CTやMRI、エコー、レントゲンなど体の中をみる画像の器械は様々なものがありますが、直接見ることというのはやはりすばらしいことで、人の医療ではなくてはならない検査になっています。
内視鏡について少し詳しく書いてみますね。
内視鏡にはまず大きく軟性鏡と硬性鏡に分けられます。軟性鏡というのは字のごとく軟らかい内視鏡で胃や大腸をみる内視鏡はこの分類に入ります。動物の方ではあまり一般的ではありませんが、この軟性鏡の中には鼻咽頭や尿道、尿管、腎盂(腎臓の中)などをみる内視鏡も存在します。軟性鏡の利点は軟らかいので、腸などの曲がりくねった場所を検査するのに非常に有効です。
逆に硬性鏡は固い内視鏡で、現在人の手術で多く行われている腹腔鏡などはこの硬性鏡を使っておこなわれます(厳密に言うとハイブリットと言って硬性鏡と軟性鏡をあわせたようなものも存在します)。この硬性鏡の利点は画像がきれいだと言うことです。
硬性鏡の場合は、まっすぐなのでいわゆる望遠鏡のようにおなかの中をのぞいているという感じになります。画像をみるということは、その部分の光りを見ると言うことになるのですが、硬性鏡の場合まっすぐなので、ひかりはそのまま伝わってきます。でも軟性鏡の場合はくねくね曲がっていますから、そのままだと光りは伝わってきません。そのために光りを伝える機構が入っています。一つは光ファイバーで、もう一つはCCD(いわゆる先端にカメラを付けて、画像を電気信号に替えておくる)です。昔の内視鏡はファイバーが中心でしたが、ファイバーは画像があまりきれいでないという欠点がありました。CCDは小さくできないというのが欠点でしたが、技術の進歩と共にCCDのサイズはかなり小さくなってきました。以前は尿道や鼻咽頭などを観察する軟性鏡はかなり細い物ですからCCDは技術的に難しく、ファイバースコープでした。しかし、ここ最近細い軟性鏡にもCCDが発売されてきました。
当院では雌のように尿道が比較的まっすぐなものの尿道や膀胱の検査には硬性鏡を使用していますが、雄や曲がりくねった気管支などの検査にはファイバースコープを使っていました。しかし、ファイバースコープはどうしても画像が粗く、なかなか詳細な評価がむずかしいのが欠点でした。
今回新しく入れた細径内視鏡はCCDのものになりますので、かなりきれいに尿道や気管支などを観察することができるようないなりました。今までつかっていたファイバースコープが1.8mmの細さで、今回のCCDのものが2.9mmですので、やはりファイバースコープほどは細くないのですが、10kg以上のわんこの尿道の検査や気管支の検査にはものすごい威力を発揮すると思います。もともとは人の腎盂用のものなので、人はこの内視鏡を尿管を通って腎臓まで入れれると言うことですが、動物の場合、体が小さく小さいわんこや猫の雄の尿道に適応できる内視鏡は残念ながらまだありません。でも、今回導入した内視鏡で、検査の幅が大きく広がったのは間違いありません。


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