いきなりわけの分からないタイトルだなーって思われたかも知れませんが、UPCとは尿中蛋白クレアチニン比というものの略です。
今までも何度か書いたことのあるIRISという腎臓のリサーチ団体が腎臓病のステージ分類をしていますが、そのステージ分類のなかにサブステージというものがあって、ステージ分類は血液中のクレアチニンの数値で出すのですが、血圧と尿中蛋白の状態でサブステージというものを決めます。
その尿中蛋白の指標に使うのがこのUPCというものです。
腎臓の糸球体という部分に障害が起こると、蛋白の漏出が起こってしまうのですが、この漏れ出した蛋白がさらに尿細管という部分を傷害していますので、もし蛋白の漏出があれば薬などを使って、蛋白の漏れを抑えることで腎臓病の進行をゆっくりにすることができます。
そういうこともあって、このUPCという数値は非常に大切な検査です。
今まではこのUPCが院内で測定できなかったため、尿中蛋白アルブミン比という数値を院内で出して、それを計算式でUPCに変換していました。
しかし、先日から院内で簡単にこのUPCの測定が可能になりました。以前測定していた尿中蛋白アルブミン比に比べても費用も安く検査できるようになり、飼い主さんの負担も少なくなりました。
年明け早々にはSDMAの測定もできるようになりますし(これは外注になりますが)、とても腎臓病の診断には有利な検査が身近になってきました。
また、これ以外にSAAという猫の炎症物質やDダイマーという血栓症の指標になる検査など、外注検査でなくて、すぐに結果が欲しかった検査が今月から院内で測定可能になりました。少しでも早く、そして正確な診断をして、動物たちを元気にするお手伝いができればと思います。


シェアする