当センターでは多くの腎臓病の患者さんの診察をしていますが、その治療の中で透析をおこなうことがあります。
透析には血液透析と腹膜透析があり、それぞれに利点と欠点があります。
その動物の性格や状態、腎臓の状態や腎臓病の種類などによってそのどちらが適しているかを選択して治療をおこなっています。
今、腹膜透析をおこなっている子は、猫の慢性腎臓病の急性増悪期の子ですが、輸液などの内科療法で血液検査の数値が下がらなくなってきて、かなり数値が上がってきました。飼い主さんが積極的な治療をご希望されたので、腹膜透析を開始しました。
この子の場合は、慢性腎臓病に対する貧血があることから血液透析をおこなうためには輸血が必要と言うことが腹膜透析を選んだ一つの理由ですが、もう一つ大きな理由があります。お家ではとってもいい子なのですが、病院に来るとどうしても攻撃的になって、病院での血液透析などがかなり困難と判断したためです。なので、腹膜透析カテーテルを入れて、飼い主さんに腹膜透析を覚えてもらい、ご自宅で腹膜透析をおこなっています。
お家ではとてもいい子に腹膜透析ができているそうです。
飼い主さんの努力もあって、数値はかなり下がって来ました。なんとかうまくコントロールできればと思っています。


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